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ビザ業務 2017.11.14

日本に上陸するための要件

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こんにちは,行政書士の松中です。

11月になり,いよいよ木々が秋色に染まってきましたね。そんな風に思っていると,昨日から御堂筋のイルミネーションが始まり,世間はもう冬に向けてスタートしているようです。近頃は本当に時間が経つのが早くなったように感じます。歳をとったせいでしょうか(笑)

 

先日,事務所の後輩からこんな質問を受けました。

・・・外国人が日本にやってくるための要件って何ですか??

普段は外国人が日本にやってくる前の申請(在留資格認定証明書交付申請)や,日本にやってきてからの申請(在留資格変更許可申請,在留期間更新許可申請,永住許可申請等)が多いため,あまりそのステージを意識することはないのですが,改めて聞かれると,わかりやすい解説は難しいですね。そこで今回は,外国人が日本に上陸するための要件をわかりやすく(?)解説してみたいと思います。

 

外国人が日本に上陸するためには,その過程によって幾通りかに分けることができますが,いずれも最終的なゴールは「上陸許可を受ける」ことです。入管法6条2項には,以下のように規定されています。

「…外国人は,その者が上陸しようとする出入国港において,法務省令で定める手続により,入国審査官に対し上陸の申請をして,上陸のための審査を受けなければならない。」

この規定は,船舶及び航空機の乗員以外の外国人に例外なく適用され,上陸許可がない限り,原則として日本に上陸できません。

 

そして,上陸のための要件は,以下の4つが規定されています(入管法7条1項)。

①有効な旅券及び(査証が必要な場合は)査証を所持していること

②申請に係る本邦での活動内容が虚偽ではなく,在留資格に該当すること(一部の在留資格については,さらに上陸許可基準省令に適合すること)

③申請に係る在留期間が入管法施行規則の規定に適合すること

④上陸拒否事由に該当しないこと

 

このうち,①の査証があれば日本に上陸できると勘違いする方が多いのですが,査証を所持していることは上陸のための必要条件であって,十分条件ではありません。査証は上陸の許可そのものではなく,在外の日本大使館あるいは領事館の領事が当該外国人の上陸を認めても差し支えないと判断した「上陸の推薦状」のようなものにすぎません。あくまで上陸許可の権限は,入国審査官にあることに注意が必要です。

 

また,上陸許可を受けるためには,②本邦での活動内容が在留資格に該当していること(一部の在留資格にてついては上陸許可基準省令に適合していること)を外国人自らが証明しなければなりません。しかし,上陸審査の際にこれを証明していたのでは,審査に時間がかかり,行政経済上よろしくありません。上陸審査場に長蛇の列ができてしまいます(今でもかなり待たされますが・・・)。そこで,入管法7条の2は,在留資格認定証明書の制度を用意しています。これは,当該外国人の本邦での活動が在留資格に該当していること(かつ,上陸許可基準省令に適合していること)を事前に法務大臣によって証明してもらうことで,上陸審査を短時間で済ませ,迅速かつ簡易な上陸手続を目指した制度です。在留資格認定証明書の制度は短期滞在,告示外定住,告示外特定活動の在留資格では対象外であり,高度専門職1号の在留資格では必須とされています。

 

在留資格認定証明書の制度は,入管法制定当時は規定されていなかった制度ですが,現在ではむしろ事前に在留資格認定証明書の交付を受けることが一般的となっています。そのため,短期滞在,告示外定住,告示外特定活動の在留資格以外の在留資格で上陸しようとする外国人の多くは,ⅰ.法務大臣より在留資格認定証明書の交付を受ける(日本の入国管理局に申請),ⅱ.在外公館領事より査証の発給を受ける(在外公館にて申請),ⅲ.入国審査官より上陸許可を請ける(上陸しようとする出入国港にて申請)というルートを辿ることになります。

 

ちなみに,観光や親族訪問などの短期滞在の場合は,在留資格認定証明書制度の対象外ですので,ⅰ.在外公館領事より査証の発給を受ける(在外公館にて申請),ⅱ.入国審査官より上陸許可を受ける(上陸しようとする出入国港にて申請)というルートを辿ることになります。査証免除国協定を締結している68の地域・国からの短期滞在での上陸の場合は,ⅰの査証が不要ですので,出入国港での上陸許可のみで足りることになります。

 

つらつらと書き下してきましたが,査証を持っていようが,在留資格認定証明書を持っていようが,最終的には出入国港において入国審査官の上陸許可を受けなければならないということです。上陸許可を受けずに日本に上陸すると,退去強制事由(24条2号)になります。

 

行政書士法人 第一綜合事務所
松中 崇晴

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