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ビザ業務 2016.07.26

婚姻の実質的要件~一方的要件,双方的要件とは?~

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こんにちは!

先日,私が担当させて頂いていたお客様の許可が無事下り,在留カードの受け渡しも兼ねて当社まで来所して下さいました。

ずっとお電話やメールでのやり取りをさせて頂いていたのですが,やはり直接お会いして,ご夫婦でお喜びいただいている姿を見ると,サポートをさせて頂けてよかった,ということを強く実感でき,今後の励みにもなりました。

さて,前回は婚姻の実質的要件(婚姻するにあたって各当事者が充足しておかなければならない要件)については,各当事者の本国法によって判断される(通則法第24条第1項),ということ,そして実質的要件には婚姻適齢や重婚の禁止,再婚禁止期間,近親婚の禁止などがあるということをご説明しました。

この要件の中には,本人のみがその本国の条件をみたしていればいいとされる要件(一方的要件)と,当事者の双方がその条件をみたしていなければならないとされる要件(双方的要件)とがあります。

ある要件が一方的要件か双方的要件か,ということによって,当事者双方にその要件が関わってくるかどうかが変わってくることになるため,一方的要件と双方的要件の区別は非常に重要となってきます。

しかしながら,その区別は明示されているわけではなく,非常に曖昧です。

一般的に,婚姻の実質的要件のうち,一方的要件とされるのは,「婚姻適齢,未成年者の場合の父母の同意の有無,親族等の同意の有無」等です。

一方,双方的要件とされるのは,「近親婚の禁止,重婚の禁止,再婚禁止期間」等です。

そこで以下,婚姻適齢を例にとって,一方的要件とされる場合と双方的要件とされる場合の違いについて説明していきたいと思います。

民法第731条は婚姻適齢(法律上,婚姻することができる年齢)について,男性は18歳,女性は16歳と定めています。

婚姻適齢は,例えば韓国は日本と同じく,男性18歳,女性16歳ですが,中国は男性22歳,女性20歳とされているように,各国によってまちまちです。

では,例えば22歳の中国人女性Aさんは,20歳の日本人男性Bさんと結婚することができるのでしょうか。(なお,中国法には反致規定があるため,AさんとBさんの結婚を日本で行った場合,反致によりAさんとBさんのどちらにも日本法が適用されることとなります。しかし,ここでは説明のため,便宜上,反致はないものとして扱います。反致については,次回ご説明いたします。)

まず,婚姻適齢は実質的要件のため,それぞれの本国法が適用され,Aさんについては中国法,Bさんについては日本法が適用されることとなります。

そして,もし婚姻適齢が双方的要件とされた場合,Aさんの本国法である中国法が,AさんとBさんのどちらにも適用されることとなり,Aさんは20歳以上の女性であるため問題ありませんが,Bさんは22歳以上の男性という要件をみたさないため,AさんとBさんは結婚できないということになります。

しかし,婚姻適齢は一方的要件とされるため,Aさんについては中国法により20歳以上の女性であるため要件をみたし,Bさんについては日本法により18歳以上の男性であるため要件をみたすということになり,AさんとBさんは結婚できるということになります。

(もちろん,その他の要件をみたしていることが必要となりますが・・・。)

このように,一方的要件か双方的要件かということは,非常に重要な区別であるということがわかっていただけるかと思います。

次回は上で述べたように,反致についてご説明したいと思います。

行政書士法人 第一綜合事務所
森本 遼平

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